ビタミンA、B、Cは共にFoxOという転写因子を活性化して
皮脂分泌を抑制することはすでにお話ししました。
FoxOはmTORC1という皮脂分泌の鍵となる蛋白を抑制し、皮脂分泌を抑止します。
ビタミンB3は体内で代謝されてニコチナミドディヌクレトチド(NAD)になり、
抗老化酵素SIRTやDNA修復酵素PARPを活性化して大量のAMPKを生じます。
その結果AMPKが皮脂分泌の鍵となるアセチルCoAカルボキシラーゼという酵素を抑制して皮脂分泌を強力に抑制します。
またビタミンA、Cや他のビタミンB群も協力してAMPKを活性化して
さらに皮脂分泌を抑制します。
ビタミンA(イソトレチノイン)を内服すると皮脂分泌が抑制されることは
周知の事実です。これは、ビタミンAが皮脂腺細胞の細胞死を誘導して、
強力に皮脂分泌が抑制されるためです。
炎症は皮脂分泌を促進しますが、ビタミンA、B、Cは炎症を抑えることで皮脂分泌を抑制し、それに引き続く皮膚の炎症を抑えて、ニキビの炎症治癒を促進します。
ビタミンCをイオン導入すると瞬時に毛穴が閉じます。
これは皮脂分泌が瞬時に抑制されるためです。
これはDNAの転写などの必要としないアセチルCoAカルボキシラーゼの抑制によるものと解釈すればいいのかもしれません。
ビタミンCのイオン導入の際には瞬時に色も白くなるので、抗炎症作用も皮脂分泌に関与しているのでしょう。
皮脂分泌を強力に抑制するビタミンA、B、Cを同時にスキンケアしたり
導入すると何か起こるのでしょう?
こちらの方は高濃度ビタミンA、B、Cを3か月間外用し、さらに数回の導入を行いました。肌が白くなり、法令線が浅くなっています。毛穴も締まってきているようです。
拡大写真では毛穴は縮小しています。
毛穴の出口のすり鉢状の凹みも小さくなっています。
眼の下から頬にかけてのやや楕円形の流れ毛穴が外用前では存在しますが、
外用後は楕円毛穴はなくなり、法令線が浅くなっている様子がわかります。
高濃度レチノールはリフティングエッセンス
高濃度ビタミンB群およびCはカクテル美白リフトアップローションと毛穴レスローションに配合されています。
上記3種を3か月外用しました。